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2009-10-14 15:59:22

横浜市教委との対話①

テーマ:PTA
10.8(木)のエントリ、[「自動加入」のPTAを百も承知で「優良PTA」として県や文科大臣に推薦した教育委員会の責任]の続報です。

前回対応して下さった横浜市教育委員会生涯学習課のO氏から連絡をいただいた。
前回の話し合いで、O氏には、
①今回の案件に関する横浜市教委としての反省・総括
と、
②次年度に向けた改善案の提示
につき、組織として検討してほしいと要請していた。
すぐにはお答えいただけないであろうと思い、「まずは数日内にいつ頃までに返事がいただけるかを示していただき、あとはじっくり待ちます。」とお願いしておいたのだ。

その連絡だと思っていた…。
「前回のご質問にお答えします。」などとおっしゃるので、?と思っていると、どうやらこの案件をとても軽いものと考えておられるようなのだ。
前回、縷々その問題点をご指摘したつもりだったのだが…。

O氏からは、次の二点についてご返答をいただいた。
そして、それで終わりにしようとされていた…。

1.「自動加入・加入率100%」という記載例を作成したのは、横浜市である。

2.その記載例が適切かどうかはともかくとして、何ら示唆をするものではない(他意はない)。あくまでも記入例である。 
とのこと。
「ま、来年度のことはともかくとして、以上が前回のご質問への答えです。」と。

「市教委の行ったことは、極めて不適切であり、総括の上、改善案を示してほしい。」という当方の求めは、完全にスルーするつもりなのだろうか?

で、再度、問いかけをする。
「他意はないとおっしゃるが、なぜ『自動加入・加入率100%』などと記載例として出すのか?」
「ご承知のように、『自動加入』の学校が多い。一般的にそうだと認識していますので。教委としては、どちらでも構わないと思っています。
その言い分は、過去の通達等に照らし、成り立たないと前回指摘しているのに、またこの調子だ。
は~。

「自動加入のところがあることは承知しているが、それを教委が野放しにしたり、認知、お墨付きを与えたりするのはおかしいと言っているんです。前回お話ししたように、法令や、これまでに文部省から教育委員会委に対して出された「通知・通達」に照らしてですね。」

「・・・・・・。」

「また、なぜ「自動・任意」を聞くのかという当方の問いかけに対して、神奈川教委の担当者は、差をつけるため(「自動」は「任意」に比べて減点される)と答えています。減点される例を参考例として掲載するというのは、どういうおつもりなのでしょう? 」

「・・・。」

「当初、どの項目が採点の対象かは言えない。」とのことだったが、この点を指摘すると、横浜市では「任意・自動」は、採点の対象にはなっていないとをお認めになった。
(しかし、県レベルの審査では間違いなく不利になっていたのではないか…。)

「先ほども申しあげたように、『任意・自動』を聞くことは、『全員自動加入方式』に対して教委として「お墨付き」を与えることになり、極めて不適切だと思うが。そして、事実、横浜市教委が県や国に優良PTAとして推薦した団体は、すべて『自動加入』ですしね。」

「・・・・・。」

「現実にスピード違反や飲酒運転があるからと言って、それらが放置されたり、ましてや奨励されていいわけがないのでは。」

「・・・。
ただ、市としては、神奈川県の様式に従っただけでして…。」

ともおっしゃるので、市教委には「文責」はないというご主張ですか? ネットに出ている調査用紙の発信者は、横浜市教委ではなかったですか?と聞くと、
「横浜市教委として出しました。・・・。」

まあ、確かに、神奈川県教委の責任のほうが重いとはいえ、「うちは関係ありません。」は通らないだろう。

あらためて、今回の案件はPTAに関する過去の通達等に完全に違反し、優良PTAの選考基準から考えてもアウトの可能性が高く前記事で詳しく説明した)、大変に重い問題であり、教育長の責任ある返答を求めたいと申し上げた。
そうしたら、「文書での回答を」ということか?と聞かれるので、その点については特に考えていなかったと答えておいた。
また、当方の狙いは、今後どのように事態が改善されるかにあり、反省・総括はそのための前提として必要だろうと考えているが、個人的なウエイトは改善案の提示のほうに置いていることも申し添えた。

また、「ダメ押し」として、とどくおもうⅡのFJNさんが紹介して下さっている、2008.3に文科省から発せられた「人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ]」の、特に、「指導等の在り方編」と、「第3節 教育委員会及び学校における研修等の取組」をよ~く読んだ上、返答をほしい旨お願いしておいた。
そこには、次のような指摘がなされているのだ。

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 人権教育を進める際には、教育内容や方法の在り方とともに、教育・学習の場そのものの在り方がきわめて大きな意味を持つ。このことは、教育一般についてもいえるが、とりわけ人権教育では、これが行われる場における人間関係や全体としての雰囲気などが、重要な基盤をなすのである。
 人権教育が効果を上げうるためには、まず、その教育・学習の場自体において、人権尊重が徹底し、人権尊重の精神がみなぎっている環境であることが求められる。(色つけ・太字は引用者。以下、同。)
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FJNさんが注目しておられる、次の文言も大変に重要だ。
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全ての関係者の人権が尊重されている教育の場としての学校・学級
人権教育の成立基盤としての教育・学習環境

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そして、教委の役割については、次のようなことが述べられている。

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(教育委員会は)基本的な方針の策定に当たっては、人権教育・啓発推進法や国の基本計画等を踏まえるとともに、全ての教育活動が、人権尊重の立場から着実に推進されるようにすること、一人一人が自分自身の課題として、人権尊重の理念について理解を深め、行動できるようにすることを、基本的な方向として示す必要がある。


最後に、「お騒がせしているけれど他意はなく、保護者、特に母親が安心して学校と連携をとれるようにとの思いからのことなので、どうぞよろしくお願いします。」と申し上げて、話し合いを終えた。

なお、教委としての見解は、1,2週間後を目安にいただける約束をした。





1 ■100%は、書類の只の文字ではありません
 まるおさん、毎度毎度の素晴らしいお働き、感謝申し上げます。

 市教委の電話の相手は、書類上の「100%」がどんな意味を持つか、まったくもって認識しておられなかったようですね。
 書類の凡例は、それを見るもの・仕事を実行するものに、心理的な拘束力を与えます。

>個人的なウエイトは改善案の提示のほうに置いている

 という、まるおさんのスタンス、人間愛にあふれておられ、人として尊敬の念を覚えます。
 横浜市教委の、人権尊重の観点からのご回答がでること、お祈りしております。

2 ■Re:100%は、書類の只の文字ではありません
>猫紫紺さん
心理的拘束力。
おっしゃるとおりですね!

お褒めにあずかり、うれしいです。
「人間愛にあふれている」かどうかはともかくも^_^;、保護者が安心して気持ちよく学校と関われるように!
そこをひたすらに求めていきたいと思っています。