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2011-02-18 21:28:32

「あなたも乱発している利己的な接続詞『だから』の研究」『週刊朝日』94.4.29号

テーマ:「だから」の情意表出的用法成立の背景
ひとつ前の記事のコメント欄でTRKさんがコメントしたくださっている、「だから」(情意的用法)をとりあげた『週刊朝日』の記事を貼ります。

こちらです。(←クリックしてください。)


この記事の最後のところで話題になっている、「だから」(情意的用法)の成立の背景が今回の一連のエントリのテーマです。

あらかじめ結論的なことを述べさせていただきますと、「だから」(情意的用法)の成立を日本語のモノローグ性と関連付けて理解する加藤典洋氏の考えには賛成できないでいます。

日本語の特質をモノローグ性に求めることにも、また「だから」(情意的用法)をモノローグ性と関連付けることにも、問題があると思っています。(これは記事が出た当時から思っていました。)

なお、この問題に触れられるのは、このテーマでのエントリの何本か後になる予定です。


次のエントリでは、「だから」の「情意的用法」の輪郭をまずははっきりさせたいと思っています。


なおなお、今回、PDFファイルを拙ブログに貼るに当たっては、とまてさんの多大なるご支援・ご指導をいただきました。改めて感謝申しあげます<(_ _)>。





1 ■記事にまるおさんのお名前が^^
おはようございます。
記事を拝見しました。まるおさんのお名前が載っているのですね、あの時の記事の先生がまるおさんだったとは!!本当に驚きです!
あらためて読んでも、なるほどなるほどと思いますが、今の若い子たちのとったら、むしろ接続詞として遣うことには違和感を覚えるのかもしれませんね。私自身も、だんだん「接続詞」としては遣わなくなっている気がします。

自分自身も利己的に「だから」を連発しているかも・・・書き言葉は発信する前に気をつけるとしても、話し言葉は日頃から注意していないと怖いですね。

(前のコメントに書いたこと、私の記憶は別の記事とあれこれごっちゃになっていたようです、お恥ずかしい^^;;)

2 ■Re:記事にまるおさんのお名前が^^
>TRKさん
いやあ、驚いていただき、どうもです^^;

**
あらためて読んでも、なるほどなるほどと思いますが、今の若い子たちにとったら、むしろ接続詞として遣うことには違和感を覚えるのかもしれませんね。私自身も、だんだん「接続詞」としては遣わなくなっている気がします。
**

確かに、会話で使われる接続詞の「だから」の自然な例文は作りにくいように思います。書き言葉の例ならいくらでも思いつきますが。
特に若い人の間で、「なので」という接続詞が使われるようになってきているのは、ご指摘の点と関係しているのではないかと思っています。
コメント、ありがとうございます。

3 ■最強の用語
当地には「だっからよ~」という言葉を相槌として巧みに使う習慣があります。
さらに、「なんでかね~」でとどめを刺します。
もう一つ、「であるわけさ」というのもあります。

この3つが最強の用法として、10年ほど前にCMで流れておりましたが、変に意識するようになったのはこのCMのお陰です。

最近の新聞で、60年代の民政府時代に日米交渉にあたった米国側の高官が「沖縄人は三枚舌」「タフ」と記した外交文書が見つかった、との紹介がありました。

私は「中国人」的だと思っております。

4 ■Re:最強の用語
>PTAのあり方とは・・さん
「だから」をあいづちとして使う用法というのは、

「昨日の試合、すごかったよね。」
「だから!」

というような、「そう、そうだよね!」といった気持ちで用いられるもののことですか?

もしそうなら、その使い方は、宮城県や秋田県の本州北部の方言としてあり(最近テレビ番組で知りました)、↓によれば、鹿児島にもあるそうです。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1030759655

沖縄でも同じ使い方があるとすると、「方言周圏論」を彷彿とさせるとても興味深い例ですね!!
ご教示、ありがとうございます。

あ、まだ東北地方での用法と同じかどうか、伺っていないですね。

5 ■Re:Re:最強の用語
>まるおさん
女房は相槌として使うそうです。(東北に同じ)
小3の娘によりますと、数名の児童が先生に怒られる(例えば「また0点。駄目じゃない!」と言われる)と、「だっからよ~。なんでかね~」と使うそうで、学校で使用禁止になっているとのこと。

前出の3つの言葉は最強の無責任言葉として、確か音楽家の三枝さんが琉球ジャスコのCMで紹介したもので、「この3つの言葉で全てが終わる、本当にすごい言葉。」というような内容だったと記憶しております。

学生時代の逸話です。
友人同士が自動車旅行で東北自動車道を走行中、蛇行運転が始まったそうです。
唯一起きていた一人が運転手を揺さぶり「寝ているのか!」と声を掛けたところ、彼は後ろを振り向き、よだれを拭きつつ、「だっからよ~」と言ったそうです。
怒る気にもなれなかった、とのことでした。

6 ■「だから」の前身「されば」のあいづち用法
>PTAのあり方とは・・さん
ご教示ありがとうございます。

「だから」の応答詞的というか、あいづち的な用法は、現在、東京語や関西方言などにはまったく見られないと言っていいと思いますが、おもしろいことに、「だから」の前身とも言うべき、「されば」には、応答詞的・あいづち的な用法があるようなのですよね。

たとえば、『大辞林』には、「応答に用いる語。さよう。」という語釈があり、品詞は感動詞とされています(どの辞書にも指摘されている一般的な見方です)。さらに、「さればいな」の形で、「相手の言葉を受けて答える時に言う語。多く女性が用いた。そう。はい。さればいの。」(近世語)とあります。

「多く女性が用いた」という指摘は、奥様のお話とも重なり、興味深いですね。


7 ■そういえば・・・
こんにちは。うちの夫は秋田出身です。夫は「つかわない」と言うのですが、夫の母は、ときどき「だからよぉ~」と言います。女性が多く使うというのも頷けます。

今までは「だから、前から言っているじゃないの」というような意味に受け取っていたのですが、そうではなくて相槌だったのかも・・・考えてみると、確かに相槌と考えたほうが自然です。うわ、すごいです、20年以上たって初めて知る事実Σ(゚口゚;

8 ■Re:そういえば・・・
>TRKさん
しばらく家を空けており、レスが遅くなり、失礼いたしました。
情報、ありがとうございます。

拙情報が、お義母さまとのコミュニケーションに多少なりとも役に立ったとしたら、幸いです^^