<42> #2

2009-09-09 18:16:17

文科省との対話(3)質問準備篇

テーマ:PTA
質問を整理していたら、時間が過ぎてしまいましたので、明日電話します(これも予定ですが)。

前回返答を約束してもらった件
①卒業式における生徒差別が懸念される奈良市立平城東中学のケースに関し、文科省から奈良市のP連に連絡を入れる件は、どうなったか。

②3年前に「日Pで『入会の適切化』についての話し合いが行われることになっている」と文科省担当者(H氏)から聞いた。その後どうなったか。
※その時PTA担当であったH氏(確か係長)は現在「外に出ている」とのことだが、現職は?(記録が残っていないということだが、当方としては3年前のやりとり(不適切な入会のさせ方と会費徴収の方法をめぐる)がその後文科省内でどう処理されたのかが、できれば知りたく思う。)

③歴代の日P事務局長は、文科省出身か?(退職後? それとも出向?)


以下、今回の新たな問いかけ(前回までのやりとりの反論を含む)。

【質問1】(質問の趣旨:文科省は保護者の置かれた悲惨な状況に目を向けているのか?)
春になると役員選びのごたごた等により文科省に対して保護者の苦情や悲鳴が殺到するとのこと(読売新聞「PTA再考(1)」08.3.18)。その記事の中に出てくる、「惨状」を踏まえ文科省が行うとされているPTAに関する「実態調査」について聞きたい。
その調査は、どのような調査(調査項目、調査方法)なのか。いつ結果が出るのか。

<関連質問>
PTAが原因で心身にダメージを受け、入院や通院を余儀なくされた事例は私の周りにもいくつもある。また、そのような事例はネット上にはごろごろしていると言うべきだし、川端裕人氏の著作上での指摘もある。「PTAがらみのケースが最近多い」と言う医者(複数)もいると聞く。
このような『実態』についても、文科省はぜひ調査すべきだと思うが、すでに行っているのか、または行う予定はあるか。
たとえば、医師(精神科系含む)に聞き取り調査やアンケート調査をすることなどを考えてもいいのではないか。
もちろん、保護者に直接聞くのもよい。


【質問2】(学校・PTAぐるみの人権侵害が許されるとは思えない!)
前回も触れた仙台市立八木山小学校の件だが、市P連の事務局長の「誤解を招くかもしれない。」という発言で、もう「済み」なのか?
まったく、納得ができない。
前回、「当方(まるお)から(市P連へ)話があれば、八木山小にどういう意図で書いたのか市P連が八木山小PTAに問い合わせてくれる」とのことだったが、当方は、「文書の意図がよく分からない」などと言っているのではなく、法令遵守の観点からも、人権尊重の観点からも大きな問題があると言っているのである。
このような不法状態が放置されていいわけがないと思う。
当該「不法文書」は、当該小学校のホームページに掲載されているものでもあり、しかも、当方は文書の字句をあげつらっているのではなく、「現実」の問題として、その地域の保護者の人権(「会員の人権」に限定されてはいないことに注意!)が侵害されている(と考えられる)ことを問題にしているのである(全員強制加入・役職の無理強い)。
※Pちゃんの「隠れメッセージ」は、ご存知か。
学校が深く関与した保護者に対する不法行為を、文科省として放置していいとは思われないが、どうか。
この問題は、学校長の責任問題、ひいては初等・中等教育局の責任問題にもなるのではないか。

<関連質問①>
拙ブログに寄せられた以下のような指摘について、どう考えるか。
***
『この学校はPTAには全員参加です』としてしまうことについて考えてたのですが、教育基本法の第二章 教育の実施に関する基本の第五条 4の【国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については授業料を徴収しない。】に抵触するのではないかと思いました。
 参加の協力をお願いするのでなく、入会する事になっている、とすると、『では、入会をして会費を納めないとつまり、お金を出さないと授業を受けられない』との判断が出来ます。(柳下さん)
***

<関連質問②>
同じく仙台の西多賀小学校のケースも大問題だと思われるが、いかがか。柳下氏のブログ(09.9.3)中のコメント3~6を見られたい。(①PTAと子ども会への加入を「強制参加」であるとしている点。②システムとして個人情報が学校から子ども会に流れる点。③子どもの子ども会への参加が強制されている点。)


【質問3】(実は、問題の事例に満ち満ちているのでは!?)
①「十分な入会の意思確認なし+学校による会費徴収」というケース(これは、3年前にも文科省に対して問題提起したケースだ)について、「事例が把握できていないので、現時点ではどうこう動けない。」とのことだったが、PTAのあり方とは…氏より、お子さんの通われている学校がこのケースに該当するというご指摘があった(この事例は文科省も承知済みのはず)。
こういう事例は、極めて不適切であり、PTA及び、学校長(教育委員会)に対して、厳しい指導がなされるべきと思われるが、どうか。
② ①のケースは学校の責任が明々白々のものとしてあげたものであり、実を言えば、会費を学校が徴収しようがPTAが単独で徴収しようが、入会するかしないかの「選択の自由が保障されていない」のならば、もうこれだけですでに、大問題だと思われる。
そして、このような事例ならば、全国のほとんどすべての小中学校で認められるものである。

このような不法状態に対して、文科省としてどう考え、どう対処しようとしているのか。
仙台市の小学校のように、「うちは強制的全員加入なんです!」と明言してはいなくても、日本の大部分の小中学校においては、実質的には有無を言わせず入会させる「強制的全員加入」になっている
参照:同上「柳下氏のブログ」(09.9.3)コメント7~。)

注釈:「日本のほとんどの学校では『強制的全員加入』になっている」と述べたが、その内実としては、
①会の性格説明とそれを踏まえた入会の意思確認がない。
②学校と保護者が連携する上でのミニマム(学級保護者会等)をPTAが押さえてしまっている。
③卒業式や運動会等の学校行事における児童・生徒への記念品がPTA会費から出されている。
等のものがある。
このうち、①はこれまでも多くの人によって問題にされてきたが、②も非常に重要である。
(拙記事<続報 市教委に聞いてみた(証書の入れ物の単価、加入率、入会の意思確認の問題>のコメントの2と4を参照されたい。)


【質問4】(「原則、全員加入」なら、許される?)
前回、八木山小に関する話し合いの中で、「強制は許されないが、『原則、全員加入』というスタンスなら許される」ともとれる発言があったと記憶しているが、そのような理解でよいか?
もしそうなら、「原則、全員加入」なるスタンスは、法的な根拠に基づくものではなく、法令遵守、人権の尊重の観点から問題だと思われるが、如何。


【質問5】(PTA問題解決に向け、どう取り組もうとしているのか?)
「PTAについては問題を認識しており、重要な課題として取り組みたい」とのことだが、①解決への何らかの方向性は出ているのか? ②いつごろまでに解決をめざすのか?
ひょっとして「地域支援本部」の設置は、PTA問題解消に向けた政策の一つなのか?

<関連質問>
趣旨説明等を読むと、「地域の教育力の低下」ということが「地域支援本部」設置の前提になっているが、「地域の教育力が低下している」と判断される根拠はあるのか?
説明文を読む限り、「~と言われている」とだけあり、そう判断することの根拠はどこにも書かれていなかったような気がする。


【質問6】(文科省は子どもの人権に対してもっと敏感であってほしい!)
拙ブログに寄せられた以下のような指摘についてどう考えるか。
***
卒業式で会員と非会員の区別をつけたいなら親を区別するのが相当です。
記念品が渡されるルートがを作れば渡さなくて良いというなら、
「PTAに入らないなら、おたくの子どもさんは運動会で記念品もらえなくてもいいんですね。」
というような、非入会者に対する脅しも文科省は肯定するんでしょうか。
(朝顔さん)
***
この運動会の記念品をめぐる話はよく聞く。
ぜひ文科省としてのスタンスを示してほしいものだ。





1 ■完璧!すばらしい!です。
質問4 について 
なぜ、社会教育関係団体ながら「任意団体」である、社教法12条の「求めがなければ指導も助言も出来ない」とされる学校(行政)とは別区分別団体であるPTAへの加入を「原則、全員加入なら許される」とするのか。担当官として、そのような認識であるということは、無意識のうちに「強制」を黙認していないのか。そのような認識があるから違法行為を黙認することができるのでは。伺ってみたい、です。

PTAからの「贈り物」についても、その殆どが保護者の総意を得ていない(予算の承認は行為の承認となるのか。詳細まで示していない)のではないか、という問題もあると思います。
周年事業積立金もそうです。なにをするのか、明確に示されていないままで積立が行われており、総意とは言い切れない、と考えます。

校費との「抱き合わせ徴収」について、「便宜を図る」(委任行為)とはしておりますが、その殆どについて委任を受けた旨の説明がありません。徴収に関する文書は、通常、学校長とPTA会長の連名となっておりますが、連名の理由が記されていない場合、その文書の性質により発行者は学校長と見なすべきであり、会費支払いを入会手続き完了と見越しての「直接的行為=行政行為」である、と考えております。

2 ■Re:完璧!すばらしい!です。
>PTAのあり方とは・・・さん
過分のお言葉、ありがとうございます^_^;。

仙台市のケースは、市P連事務局に対して文科省よりはっきりとした意思表示をしてもらえることになりました(嬉)。
両小学校PTAの不適切な文言は取り消されることになると思います。
また、市内の他の学校に同様の不適切なケースがないかも市P連事務局により点検されることになると思います。
(詳細は後日)

残念ながら、「全国的に呼びかけてくれ」という要望については聞き入れられませんでした。

2時間以上に及ぶ話し合いになり、真摯に応対してくれた担当者氏には感謝です。
いろいろと文科省側が考えていることも分り、たいへん有益な話し合いになったと自分では思っています。
ですが、その場では納得したものの、またふつふつと疑問が出てきてもいます。
その辺り、よく咀嚼し、ご報告できればと思っています。
そして、また問いかけていければとも思っています。

どちらかと言えば「心地よい疲れ」ですが、今日はくたびれましたので、いただいたコメントへのレスも後日改めて差し上げますm(__)m。