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2009-10-03 14:52:09

文科省との対話(4)報告篇②

テーマ:PTA
<「PTAの実態調査」について>
当方から次のようなことを述べた。
「第169回国会 文部科学委員会(2008.5)における、「社会教育法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」として、「PTAについて、その活動や運営などの実態把握に努める」とある。
(注:FJNさん、ご教示ありがとうございます!)
前回話のあった「学力格差や道徳の授業やクラブ活動についての保護者の意識を探る」云々はあくまでも保護者の意識調査であり、「PTAの活動や運営などの実態把握」からは大きくずれていないか。
ぜひ、文科省として、国会の決議に従い、PTAの活動や運営の実態を把握するよう努めてほしい。

「PTAの活動や運営などの実態」の中には、入退会のあり方、役職の決められ方、会費の集め方、PTA活動に伴う保護者の悩みや不満も、当然含まれると思われる。
いったい、文科省としては、活動や運営の実態を把握するため、これまでにどのような努力を行い、またこれから行おうとしているのか?(たとえば、どのような調査項目を考えているか?)」

この当方からの問いかけに対して、いろいろとおっしゃっていたが、要するに、
「その決議については、承知はしているがまだ施策に反映されていない。」
とのこと。
個人レベルで話題にあがるのみで、組織レベルではなんにも具体的な話になっていないらしい(驚)。
(もう国会での決議がなされてから1年半にもなろうとしているというのに!
文科省幹部の方々、行政組織としてこんなんでおよろしいのでしょうか?)

ぜひ国会決議を踏まえて、一日も早く行動に移るよう要請しておいた。
「官僚にとって、国会の決議って軽いものなのね。」というのが、嫌味な言い方かもしれないが、率直な感想だ。


<「強制加入体制」改善に向けての全国的な働きかけの必要性の件>
先の話し合いで、「強制加入体制」の改善のための全国的な働きかけを要請した当方に対して、
*****
何を根拠にそういうことを言うのか?と言われる可能性がある。
仙台市の小学校の例のような、具体的な「事例」(証拠)が必要だ。
それがないと「見えない敵と戦っている」ようだ。
*****
というような返答があったわけだが、この担当者氏のコメントを受け、ブログ「柳下玲優 日記」の柳下さんから、いくつかの「具体的な事例」を寄せていただいた。多謝!
茨城、東京(複数)、沖縄等にも、仙台の小学校と同様に、「強制加入体制」で運営されていると思しき学校があるのだ。(その具体的な紹介は近く行う予定。)

さらに、柳下さんは衝撃的な文書を「発掘」してくれた。
それは、次の文書。
「平成 21 年度優良PTA表彰候補団体 推薦にかかる資料」(横浜市教育委員会)

この資料の中には、「団体の概要」を示すための調査用紙(別紙様式2)があるのだが、その中に「加入率」と「入会方式」を問う欄がある。そして、あろうことか、「入会方式」については、
任意
自動

の二択方式になっているのだ!
そしてさらにあろうことか、資料の中には、調査用紙の「実際の記載例」まで示されているのだが、そこでモデルとして示されているのは、
加入方式:自動
加入率 :100パーセント

の「横浜市立N小学校PTA」の例なのだ。

この資料から分かることは、横浜市のPTAでは、「自動加入」が加入方式として(市教育委員会によって)おおっぴらに認知されており、どころか、奨励されている節さえあるということだ。

この事実を文科省の担当者氏に知らせ、「こんなことが許されていいのか?」と問うたところ、
「任意以外の方法があるなどとはこちらとしては、想定していない。」
とのことだった。
つまり、文科省の見解として、「自動加入」なる加入方式は、“あり”ではなく“なし”ということである。
法令やPTA関連の文部省の通達に照らし極めて当然の結論とは言え、文科省の担当者氏のこのことばは大変に頼もしく聞こえましたですよ。
担当者氏には改善に向けての横浜市教委への事実確認をお願いし、了解してもらえた。

横浜市教委の件のほか、東京、沖縄、茨城等のPTAに認められる不適切な事例についても次回の話し合いの折に具体的に指摘するので、それらの学校に対しても改善に向けた事実確認を行ってくれるようお願いしておいた。
また、調べればこのようにいくつもの不適切な事例が出てくることからして、同様の不適切な事例が全国的に存在している可能性は大であり、ぜひとも、可及的速やかに全国的な実態調査に踏み切ってほしいともお願いしておいた。(しつこいようだが、国会の決議もあるのだから。)

(つづく。その③では担当者氏からの訂正要求や弁明についても紹介します。)





1 ■無題
京都市教委のPTAハンドブックでも
(http://www.city.kyoto.lg.jp/kyoiku/page/0000061654.htmlから、pdfでダウンロード)
「京都市PTAハンドブック作成にあたって」のところには、
「学校・幼稚園に通うお子様がおられる保護者の皆様がPTA」
「PTAとは」のところに「全ての保護者、学校が手を繋ぎ協力していく活動」とあります。
「PTA活動への関わり方って?」と題したマンガでは、
「子どもが学校に通っている保護者はみなPTA会員です!!」とありますねー。(苦笑)

2 ■無題
文化とか歴史とかがウリになってる地域って、
PTAのしめつけもキツいような…。

教育ムラ、って感じかな…?

3 ■Re:無題
>朝顔さん
またまた貴重な情報をありがとうございます!

今後、文科省に対しては、
①初等中等教育局(教委・校長)ラインの責任の追及
と、
②「不良」なPTAを『優良PTA』として表彰することの責任の追及
との二本立てでいくのがいいのではと思っています。

文科省にその重い腰を上げてもらう上で、今回の情報は超貴重なものとなると思います。
ありがとうございます。

4 ■無題

① 学校・教委の責任 … 初等中等教育局マター
② PTA表彰の件 … 生涯学習政策局マター

②のほうが直接的な感じかな…?
                ( 文科省 = 当事者 )

5 ■Re:無題
>里山たぬ子さん
文科省(文科大臣)による優良PTA表彰。
これは、確かに文科省が行うものであって、そこにおいて、法令や過去の通達に反する行為を行っているPTAを優良なものとして表彰しているのならば、文科省自身の不適切な行為として厳しく批判されるべきだと思いますね。

優良PTAを教委が文科省に推薦する時の「書式」があるようなのですが、そこにどのような記入項目があるのかにも注目しているところです。
まさか横浜市のような「入会方式:任意・自動」などという項目はないとは思うのですがね。

いずれにしても、今後は、文科省は、優良PTAの「表彰基準」を提示する時、「適切な加入手続きをとっていること。」という一文を入れるべきと考えます。
何と言っても、表彰要項の冒頭、1「趣旨」には、「PTAの本来の目的・性格に照らし、優秀な実績を上げているPTAを表彰し、PTAの健全な育成、発展に資することを目的とする。」と高らかに謳われているのですから。

ひょっとして、いやひょっとしなくても、もうそれだけで、一気に不法加入の問題は解決するようにも思っています。
(参照:平成21年度優良PTA文部科学大臣表彰要項 http://www.lalalaw.jp/info/025098b.pdf)