<110> #5

2010-03-20 02:06:31

無理強いは「幸せ」のきっかけづくり?(非実在青少年問題をめぐり都小Pに言いたいこと)

テーマ:つぶやき
アニメ、漫画の児童ポルノ規制をめぐり、今、都議会がもめている。
規制を推進しようとする都小Pの動きを問題にしている人たちもいる。

この問題について、やや別の角度から、わたしなりのつぶやきをしてみたい。

現役時代、2年間、P連委員として市P連の「地域環境改善委員会」に所属していた。その仕事の一つとして、近隣の書店やコンビニ、個室ビデオ店を回り、協力を呼び掛けるということもした。
今からもう5年くらい前のことである。

その時驚いたことは、ごくごく普通の書店に、おやじの私でもドキッとするほど過激なマンガ雑誌が、『週刊朝日』や『少年ジャンプ』などが置いてあるコーナーのすぐそばに堂々と置いてあることであった。

その表紙に描かれている絵が問題なのだ。
ポイントを指摘すると、①「成人女性」ではなく「若年女子」が描かれていること、②年齢の割に胸は異様に大きいこと、③縄で自由を奪われ性的虐待を受けていること、そして、④「不本意ながらも受容てしまっている」こと…。
繰り返しますが、表紙の絵ですよ!(+_+)

しっかり調べたわけではないが、今、このようなパターンの「作品」が増えているような気がする。
誰でも手に取ることのできる『少年○○』や『ヤング○○』などにもこの手の作品が登場してません?

フランス文学者の鹿島茂氏が『SとM』(幻冬舎新書)の中で、確か、欧米のSMにつきものなのが鞭(むち)だとすると、日本のSMに特徴的な道具立てとして「縄による緊縛」があると指摘されていた。それが日本のSM文化なのだ、と。

こういった相手を束縛する文化は、自分が親や社会から強いられていることと同じことを自分より弱いものに強いているという面があるのではないか。緊縛の連鎖である。

お付き合いしたいなら、正々堂々とアピールをし、相手の理解を得るべきではないのか。
自立した一人の人間が自立した一人の人間にたいして、フェアーに、理解を求める。
そうした当然あるべきプロセスを飛ばして、自分の欲望を満足させようとする。
「君も結局それで幸せになれるのだから。」と。

需要があるからこそ供給もあるのだろう。日本の男子は私自身も含め、そのような「精神構造」を対象化し克服しようとする根本的な努力が必要な気がする。
また、そのいっぽうで、そういった表現を子どもたちの目に触れないように社会として取り組むことは必要なことではないのだろうか。

現時点で、この件に関する都小Pの提言に私は賛成である。その意見集約のプロセスについては問題を感じているし、規制が暴走しないように監視は必要だと思うが-。
人としての尊厳を踏みにじる行いは、取り締まられるべきだ。

ただ、都小Pに言いたいこともある。PTAの「強制の構造」と今回都小Pが批判の対象にしていることとの間には、通底するものがありはしまいかということだ。
きっと心外と思われるだろうが、この問題が一段落したときにでもお考えいただければ幸いだ。


関連記事:<妙な「趣味」の押し付けは勘弁してほしい>


追記1
3/19の東京新聞によると、都側は次のように述べている。
**
 また、(都青少年・治安対策本部は)十五日に規制案反対の記者会見をした漫画家たちの懸念にも言及。永井豪さんの「ハレンチ学園」や、少年愛をテーマにした竹宮恵子さんの「風と木の詩」について、都側は「不健全図書の指定基準に照らして、規制の対象には該当しない」と答弁した。
**

これを見て、私はますます賛成の意を強くしている。

追記の追記
なお、この記事の末尾には次のことが書かれている。
**
 内閣府の二〇〇七年の世論調査では、実在しない子どもへの性行為を描いた漫画について、規制を支持する回答は86%に上った。都はこれらの結果から「都民の合意を得られる」との認識を示した。
**


追記2
3/18の産経新聞によると、都(東京都青少年・治安対策本部青少年課)は次のように述べている。
**
 ――現在、一般に流通している作品も対象となるのではと懸念する漫画家の声があるが、実際はどのような作品が、どの程度、規制されるか

 「表現の激しさよりも、設定を重視する。通常のストーリーで必要な表現として描かれた性行為ではなく、強姦や近親者との性行為を肯定的に描くなど青少年の感性がゆがむような表現が規制対象となる。現在も月3~4冊が『不健全図書』に指定されているが、極端に増えることはない」

――「非実在青少年」の作品に小説が含まれない理由は

 「文章による表現は受け手の能力を要するが、漫画やアニメは視覚的に年齢問わず、認識してしまう。小説に比べ、知識のない子供が影響を受けやすい」
**

要するに、取り締まりの対象は「鬼畜系」であり、しかも子どもがもろに影響を受けやすいビジュアル系である、と。
これも、納得。

追記3
都小Pの「青少年健全育成条例改正案の成立に関する緊急要望」を見ても、「強姦や近親相姦」を描く【ビジュアルな作品】が子どもたちの目にふれるところに蔓延していることを問題にしていることが分かる。
表現の自由の統制につながるとか市民が自主的に対応すべきと言っている人がいるが、じゃあ、今のこの状況(惨状と言いたい)をなぜ今まで放置していたのですか?と聞きたい気がする。





1 ■無題
でも…、
出版界の人たちは反対しているとか。

こういう出版物ってドル箱なのかな…?


「 表現の自由 」とかって言ってるみたいだけど、
『 公共の福祉 』(一人ひとりの幸せ)に反する自由は
制限されるべきじゃないのかなぁ…。


母親(コドモは♀)の感覚では、
ちょっと信じられない感じがします。

2 ■主様ご配慮感謝申し上げます。
ありがとうございました。

本件につきましては、私も同意致します。
行過ぎた表現についての規制は、ある程度止むを得ないかと思います。
というよりも、売る側が配慮すべき事例かと。

昔々のビ○本は、人目に触れないような配慮がなされていたように記憶しております。
(若かりし頃、これらの配慮と格闘した記憶もあります。)

背景に潜むものがあるのであれば、もう少しわかりやすく説明頂けたら・・とも思います。
が、P連などがが保護者を代表して意見を言う風潮には閉口してしまいます。

3 ■コメント、ありがとうございます
>里山たぬ子さん
後半のご意見には同意。

都小Pの会長さんがやり玉に挙げられている感なきにしもあらずだけど、親の感覚を代弁してくれてありがとうございますと、お礼を言いたいです。
「親の感覚」と言ってもひとくくりにはできないのかもしれないけどね…。

>あり方さん
>行過ぎた表現についての規制は、ある程度止むを得ないかと思います。

私もそう思います。
ビ○本についてもまるっと同意です^^;
内容もずいぶん穏やかだったようにも…。

>が、P連などがが保護者を代表して意見を言う風潮には閉口してしまいます。

一般論として、もしも代表するなら、厳密な手続きを経てくれと言いたいですね。
で、P連や単Pが保護者を代表することには、原則的に反対です。

4 ■少しほっとしました
まるおさん、冷静なエントリをありがとうございます。
追記を拝見して、安心しました。

>人としての尊厳を踏みにじる行いは、取り締まられるべきだ。

ここは、諸手をあげて賛成いたします。
児童ポルノは許せません。
「非実在青少年」の酷い作品を見たことがないのでなんですが、幼いひとを傷つけることを礼賛するような内容でしたら、ちょっと・・。

3/18、都議会で条例案を審議しているときはTwitterで「非実在青少年」問題、えらい騒ぎだったのです。何だ?って巻き込まれてしまいました(汗)

5 ■Re:少しほっとしました
>猫紫紺さん
少なくとも考えるための一つの材料をお示しできたようで、こちらのほうこそほっとしております。
ひょっとして変なエントリ立ててしまったかな(滝汗)と思っておりましたので^^;。

昨日、本日とコンビニや書店に出向いた折、注意して見てみましたが、酷い漫画作品が誰もがアクセスできる場所に堂々と置かれていることに、改めて危惧の念を抱きました。
(ひもがかけられているものもありましたが表紙は簡単に見られますし、ひもが外されているものもありました。)

まだ考え始めたばかりの問題なので、(特に)立場を固定せずに考えていきたいと思っています。
コメント、ありがとうございます。