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2009-11-15 22:23:14

「文科省人権教育研究指定校」担当部局への申し入れ

テーマ:PTA
塩尻市立吉田小学校の校長先生の反応が、あまりにも「あっけらかん」としたものだった事もあり、同日、文科省の「人権教育研究指定校」担当部局に問いかけてみた。
交換の方に初等中等教育局児童生徒課に回していただいた。担当のH氏は席をはずしているということでS氏が応対して下さった。
よく話を聞いて下さるのだが、「担当に伝えてはおくが、今こういう時期なのでいつ返事ができるかは…。」と頼りないお返事。
こんなことになるなら、担当者の方が席をはずしていると聞いた時点でいったん引き下がるべきだったと思ったが、あとの祭り。

一仕事終わって考えてみた。こんな重大な(と私には思われる)案件に対して、「返事ができるかどうかもも分からない」というのはないだろう。「とにかく、担当者氏と一度話をさせてほしい。」とお願いだけはしておこうと思い、再度連絡を取ってみた。

すると運良く、担当者であるH氏が出てきてくれたのだ。
H氏は、初等中等教育局児童生徒課 指導調査係とのこと。

あらためて、吉田小学校PTAでの保護者に対する入会と役務の強要、およびプライバシーの侵害についてかいつまんでお話しし、「これは人権的に問題だと思うが、どうか?」と問いかけてみた。
こちらの話を上手に聞いてくれるので当方もとても話しやすかった。(臨床心理学で言う「傾聴」というのでしょうかね。)

だが、最初に返ってきた答えは、「まずは市区町村の教育委員会に連絡を入れられたらどうか。」というものだった。

「いや、言われるまでもなく、塩尻市や長野県の教育委員会には連絡をしようとは思っているが、『文部科学省人権教育研究指定校』で発生している人権問題に対して文部科学省の担当セクションとして『われ関せず』でいいのですか?」と当方。

すると、「それぞれのPTAの規約等もありますからね。」

それに対しては、規約がどうであれ「自動加入」が“あり”などということはあり得ない。この点については、御省生涯学習政策局社会教育課PTA担当のS氏やM係長とも散々議論をしたが、彼らも「自動加入は容認されるものではない」とはっきりと認めている。ぜひM係長に確認してみてほしいとお話しした。
またその話し合いの経過については拙ブログにまとめてあるので、それも参照いただければ幸いだとも。

すると、「自動加入」が“あり”だと言っているわけではない…、と。


また、(私からの電話があった事をS氏から聞いたH氏はさっそく情報収集をしてくれたようで)調べてみると、吉田小学校の研究テーマは、「多様な価値観を交流しあい」云々(よく聞き取れなかった)であるとのこと。
で、なにをおっしゃるのかと思ったら、
「吉田小学校の今回のテーマは子どもの育成であり、子どもに視点を当てて指定をしているものなんです。」と。
だから、保護者に対する人権侵害を問題にされても…ということのよう。

この切り返しは、正直想定外であり、また「心外」でもあった。
「人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ]」の担当部署は、H氏も所属する初等中等教育局児童生徒課(生徒指導室)なのだから。

私は、(以下、長文注意!)H氏に、もう7年も前のことだが家族がPTA問題で心身にダメージを受けたこと、代わりに私が学校に出向いてPTA活動に参加したが、仲間のお母さんの中には入院したり、体調を崩した人がいること(現在もPTAにより傷ついている保護者は少なくない)、その背景にあると思われる「強制的な体制」を改善すべく立ち上がり一定の成果を収めたこと、その時に強く感じたのはPTA問題とは人権問題だということ。作家の川端裕人氏も、PTA問題の人権問題としての側面を問題にされていること。
学校現場においてこんなにも人権が軽く扱われているのなら、いじめがなくなるわけがないと思ってきたこと。

そんな思いを抱いてきた私は、最近ある方に教えていただいて、御省の「人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ]」を読み、特に、「人権教育が成果をあげるためには、なによりも学校が人権の尊重される場でないといけない」という主張に大感激したこと。

を述べさせていただいた。

私が「ほんとうに感銘を受けたんです。」と申し上げると、「ありがとうございます。」と言ってくださった。
「在り方について」の作成にかかわっておられたのだろうか。

続いて、私が言わせていただいたのは、「子どもに視点があるのだから保護者に対する人権侵害は関係ない。」という言い分は、「在り方について」において高らかに謳われている精神(というよりも「指導内容」)を文科省自らがないがしろにしていることになりませんか? ということだった。
「ペーパーにはいいことを書いておいて、実態はどうあろうと『そんなの関係ねー』はまずいのでは。」とも。

この主張には、あくまでも私の感触ではあるが、ずいぶんと納得して下さって、吉田小学校の問題について「話を入れてみます。」と言って下さった。
「吉田小学校に話をしてくれるのですか。」と聞くと、「いえ。上司に報告し、部内で検討させてもらう。」とのことだった。
その検討に大いに期待したいと思う。

吉田小学校には文部科学省からお金(税金)も投入されているのだから、「人権教育の指導方法等の在り方について」に則り適切に人権教育を推進するよう、しっかりと指導をしてほしいとお願いしておいた。

二週間後に、またお話を聞かせていただくことにして、話し合いを終えた。





1 ■市のサイトの「Q&A」
万華鏡のようでいて、どっこい確とした筋の通った対話であったことに安堵しています。御疲れ様でした。
なお、当該市のサイトで「本年度もいよいよ18年度の学校PTA会長を選出する時期になり、話に聞く所によると毎年私の小学校では意見の対立でもめている、との事」で始まる【小学校PTAにおける役員選出について】というQ&Aが読めました。
Qには「去年もかなり強引なやり方で最終的にくじを引いてしまわれた方が非常に切ない想いをされたそうです。どうやら人間関係もおかしくなるとの事で、今年もすでに数人の方々で相手の方の事情も全く無視する形で推薦と言う話もある位です。学校側もどうやら役員任せ、と言う状態のようです」とあり、市長がAで「PTA役員が、現に市役所職員や特定企業の社員が多いことは承知しております」と述べています。
御参考になるかもしれません。
http://www.city.shiojiri.nagano.jp/koe/quest/quest_130.jsp?faq=%3C%3A459323

2 ■Re:市のサイトの「Q&A」
>FJNさん
またまた貴重な情報、感謝であります!

何年も前に市民からPTA活動やそれに伴う役員選出をめぐって苦情というか悲鳴というか、相談が寄せられていたのですね。
そして、それに市長が答えている。
(質問の眼目が「公務員への役員就任の要請」に傾いているのは残念ですが。)

塩尻市や長野県の教委とPTAの問題について話をする時にとても「助け」になります。

「うちはみなさんにご協力をいただいてうまくいっていますので、余計な口出しは無用です。」などとは言わせません(笑)。

「人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ]」もそうですが、いつもすんごい情報、本当にありがとうございます!