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2009-11-20 19:53:23

留学生に聞く「PTA」③

テーマ:留学生に聞く「PTA」
日本文化(日本語教育)を学んでいる台湾出身のKさんに、「台湾にもPTAはありますか?」と聞いてみた。

「家長会」というのがあるとのこと。日本語にすると「保護者会」だ。

「全員参加ですか?」と聞くと、各学年5人から10人くらいの有志の保護者が参加するだけだという。
「日本では入会や役職に就くことが事実上強要されることが多い」という話をすると、Kさんは目を丸くして心底驚いていた。
台湾ではそういうことはまったく考えられないようだ。

「家長会」に入る親は、時間とお金に余裕がある人が多いらしい。
仕事の内容を聞くと、文化祭の時にバザーを開催し、その収益を学校に寄付したり、大会に出て好成績を収めた子どもに賞品を出したりするというのが主な仕事だと思う、とのこと。
他には、学校から依頼されてお手伝いをすることもあるそうだ。

バザーを開催する時に、各学年5~10人で足りますか?と聞くと、子ども達も手伝うし、そんなに人手が必要ですか?と逆に聞かれた。
じゃあ、運動会や文化祭の時の自転車の整理とかの仕事もないのかと聞くと、「そんなことを親がさせられるのですか?」とびっくりされた。

PTA新聞を出すような仕事は?と聞くと、熱心で余裕のある親が多い私立の学校ではあるかもしれないが、ふつうの公立学校ではないと思うと。

「家長会」が有志による会であることを考えると、台湾のあり方は当然の帰結である気がする。
有志の会であるのにどの学校のPTAでも会報や新聞を出している日本の異常性が浮かびあがる。
(どの学校も新聞を出している点をめぐっては、優良PTAの選考基準の罪は深いと思う。)

日本ではPTAによって追い詰められて心身にダメージを受ける母親もいるのだという話をすると、驚き、そして目に涙を浮かべながら聞いてくれた。

Kさんから「どうして日本では全員参加で、傷つく人も出るのでしょう?」と話を振られ、日本社会に認められる中間集団全体主義や個の確立の不十分さなどが関係するのではないかという話になった。

Kさんは日本文化や日本語の特徴について興味を持って勉強しており、日本のPTA問題にも興味を持ってくれたようだ。
より正確な比較ができるよう、台湾の何人かの友達にも聞いてくれるとのこと。
(ちなみに、Kさんは中学、高校と私立だったそうなので、公立出身の友達にも聞いてくれる予定。)

情報が入りましたら、またご紹介したいと思います。