<95> #7

2010-02-06 22:59:24

神奈川県教委からの再回答とそれへの反論

テーマ:PTA
先週の木曜日(1/28)、神奈川県教委の担当者氏と話した。
ゼロ回答だった。
これからも、「自動加入」のPTAを優良PTAとして表彰します、と。

その根拠は、大きく分けて二つある。
ひとつは、文科省の担当部局により承認してもらっていること。
もうひとつは、消費者契約法上の問題もないことを消費者庁より認めてもらったこと。

はたして、その根拠は妥当なものなのか?

<文科省によるお墨付き?>
当方が以前に文科省の係長氏に聞いたところ、「容認はしていない」と確かに聞いたのだが(「文科省との対話(7)「優良」PTA選考をめぐる係長氏からの回答」)、神奈川県教委のY氏は、「わたしのほうでもう一度文科省に確認したが、まるおさんの言い分とは違い、自動加入は構わないとはっきり言われた。」と言うのである。
文科省にも認められているとする神奈川県教委の言い分は、次の通り。

*****
①自動加入を規制する法的根拠はない。
②優良PTAから自動加入のPTAをはじく根拠はない。
③よって、自動加入のPTAを優良PTAとして推薦することに問題はない。
*****

わたしの理解では、文科省のPTA担当がこのようなことを言えるはずがないと思われるし、現にわたしはこの耳で係長氏より、「自分は容認するとは言っていない。」とはっきりと言われているので、信じられないが、これは次回、文科省の係長氏に聞くほかはない。

ちなみに、ロジックの第一段階である①だが、そもそも係長氏は、あり方さんやわたしからの「自動加入は違法なのでは?」という問いかけに対して、「お気持ちはわかるが、違法であるかどうかを検討するかどうかを検討している段階だ。軽々に判断は下せないのだ。」ともんのすご~く慎重な物言いをしているわけです。

***
「『疑わしい』・『疑わしくない』という線引きは、一係長にできることではない。個人的には理解できるが、そう簡単には進められない。」(2009.10.8)
***
(拙記事「文科省との対話(6)係長氏にPTAの違法性を問う」)

こういうことを国民に対して言っておいて、裏では県教委の人間に対して、「自動加入は法的に問題ありません!」などと断言できるわけがないと思うのですよね。
この点、ぜひ近々係長氏に問いかけてみたいと思っている。

まるお注:ただ、前エントリで紹介したように、係長氏の言い分がかつてよりずいぶん「荒っぽく」なっていることも確かなのだ…。この点、しっかりと問いかけていきたいと思っている。
国民の自由、人権にかかわる問題なのだから。


<消費者庁によるお墨付き?>
さらにY氏はつぎのような驚くべきことを言われる。

「消費者庁に問い合わせたが、入会の手続きは消費者契約法における『契約』に該当しない。よって、『自動加入』が適切か否かについて、消費者契約法の適用はないとの回答を得ている。PTAが関わるのは、保険契約やバザーでの物品の販売の場合であるとのことだった。」

この点については、その日に、さっそく消費者庁に問い合わせた。
企画課のU氏が対応してくれて、「すこし時間をほしい。」とのこと。今回の神奈川県教委からの話と、「適用はありうる」という、以前あり方さんが消費者庁の担当官からから聞いてくれた話を伝え、どうも二つの考えがあるようだと伝えたところ、「課内でよくもんでみたい。」とのことになった。

そして、翌日さっそく連絡があった。
「立法趣旨」を確認し、上司とも相談の上の回答は、「適用はありうる」というものだった。
いったい、Y氏はだれから、そしてどのような話を聞いたのだろう?

消費者契約法の条文と「解説」を改めて見てみたが、事業者のひとつに含められているPTAの事業者としての活動を、バザー等に限定し、入会の手続きは含まれないとする解釈は、条文や「解説」のどこをどう読みこめば出てくるものなのか???
ぜひ、聞いてみたいと思う。


なお、もうひとつ神奈川の担当者氏が持ち出してきたロジックが、
①PTAは任意に設立された独立した団体である。
②よって、団体内部で決められたことに、行政は口をはさめない。
③「自動加入」と団体内部で決められた場合、そのルールには一定の有効性が認められる。
というもの。

「もし問題があれば総会等で問題提起をすればいいのだ。」と。
総会で否決されたら?と問うと、「それはみんなで決めたことには従わないと…」と。

これは、無茶苦茶な話だと思うのだ。

というのは、
「自動加入」とは、
任意の団体が、団体外の個人を(←ここ、重要)有無を言わせずその団体の中に巻き込むものである。
と言える。

これは先方も認めた。

これは、憲法に保障されている自由権の侵害に当たり、このような不適切なことをしている団体を、「取り締まれない」というだけならまだしも、公務員が優良PTAとして表彰するのは断じておかしいのでは、と言わせてもらった。

これについての反論はなし。
この点については、一ヵ月後にまた返答をもらうことになった。教育長や(社会)教育委員の方たちの見解もぜひ聞きたいと申し添えておいた。





1 ■シンポジウムについて。
カワバタさんのブログで紹介されていたシンポジウムに
まるおさんも出席するとか…?


どんな話し合いになるのかなぁ…。

またブログで紹介してくださいまし…^^。

2 ■本当にしぶといですね。
まるお様、本当にお疲れ様です。
消費者契約法、社会教育法、教育基本法、学校教育法、学校運営規則(目的外使用許可)、寄付の強要(民法)、職務専念義務免除規程、会計規則、地方自治法、地方財政法、地教行法・・・。
多くの法令違反の可能性を指摘しても”動かない”とは・・・
当初は重大な法令違反があれば”動く”と回答していたのは何だったのでしょう?
これでは文科省不要論が出るのも当然と言えます。

当地でも3月までの回答ではありますが、同じ結果だと思います。
ので、敢えて2月下旬に法令違反を具体的に指摘した質問状を教委宛提出し、回答次第では違法確認の為の訴訟(非訟事件)として提起できれば・・と、対応を模索しております。
他方、開示頂いた資料などを市議に託し、議会での対応して頂くことも検討しております。

なぜここまで・・と思いつつ、あげた拳がなかなか下ろせない・・困った自分が存在しております。

3 ■無題
PTAのあり方とは・・さんへ。 (横入り、失礼します)


「 天網恢恢 疎にして漏らさず 」ですよ…。

ネットの力を信じましょう…。 o(^-^)o

4 ■PTA問題解決の鍵(Re:シンポジウムについて。)
>里山たぬ子さん
今しがた申し込みを済ませました。

ひとこと意見・質問も述べられるようだったので、はばかりながら次のようなコメントをつけさせてもらいました。

*****
「まるおの雑記帳」というブログにてPTA問題を
日本の文化的な問題とも絡めて考察しております。

PTA問題解決の鍵は、

①PTAの活動内容を整理整頓する(学校主催の「保護者会」との機能分離をする)
②PTAの原点である「任意加入」を徹底する

ことにあると考えています。

ところが、現状はPTAと「保護者会」との機能分離が曖昧な学校が多く、
自動的・半強制的に入会させられるのが『ノーマル』な姿になってしまっています。
(現在、「自動加入」のPTAがそれと知られつつ文科大臣より「優良PTA」として表彰されているという、たいへんに残念なことになっています。)


①「保護者会」との機能分離を進める、②任意加入を徹底する、という案について、
パネラーの方々のお考えを伺えれば幸いです。
*****

5 ■Re:本当にしぶといですね。
>PTAのあり方とは・・さん
いやはや、いやはや。
あり方さんも、本当にお疲れ様です。

万が一、まっとうな反応が返ってこない時は、とにもかくにも「上げた拳を下ろさない」ことが大切かなと思っています。
そして、いろいろな角度から声をあげて行くといいますかね。

自動加入のPTAの優良PTAとしての表彰はあくまでもやめませんと、文科省や神奈川連教委が言うのなら、採用されるかどうかはともかくもマスメディア等を通じてその不当性を訴えることも必要だと思い始めています。
また、署名等の活動も有効かと。

もちろん、里山さんの言うようにネットの力も信じていますけどね。

6 ■シンポジウムについて(2)

問題の根本にあるのは、
やっぱり「 学校とPTAの癒着 」かな…。

いくら任意加入を徹底しても
PTAが保護者会を牛耳っていたら
退会したくても退会できないですよね、普通。

7 ■Re:シンポジウムについて(2)
>里山たぬ子さん
その通りだと思います。

建前としての「任意加入」ではなく、実質としての「任意加入」を実現するためには、PTAに入らなくても保護者がきちんと学校や他の保護者と連携できるようになっていないといけないよね。

現状は、「非会員」は「なきもの」として学校運営がなされているところが大部分じゃないかな。
(保護者懇談会がPTA主催のもの【しか】ないとか。)

この部分についても、「任意加入」の徹底と同時に訴えかけていく必要がありますね。