<244> #36

2013-07-16 15:44:25

PTAの入退会自由をめぐる千葉市陳情審査(考察編)

テーマ:PTA問題の実際的解決をめざして
1.自動加入を容認するというのか?
<教委の発言>
審査の冒頭で、千葉市教委事務局が「参考意見」として以下のように述べている。
*******
PTAは、保護者及び教職員を構成員として、生涯学習を通じ児童生徒の健全育成を図るため、各家庭の実情や地域の実態等に応じ、学校から独立してさまざまな活動を行っている任意団体である。

このことから、PTAの自主性・自立性は尊重されるべきものであり、結果的にPTAの停滞や縮小につながるような、教育委員会による指導は行うことができないと考えている。
*******
(陳情第5号に関する「教育未来委員会説明資料」より)

前段部分には「PTAは各家庭の実情や地域の実態等に応じ活動するもの」と、「各家庭の自主性・自立性」に関わる言及があるのに、なぜか結論部分(後段)になると、「PTAの自主性・自立性」への配慮ばかりが示され、「各家庭の自主性・自立性」への考慮は消滅してしまう。
千葉市教委は、保護者個々人の自主性・自立性(つまり、人権)は侵害されても構わないというのだろうか?

<市議の発言>
PTAの自主性・自立性は尊重される一方で保護者個々人の自主性・自立性はないがしろにされるという興味深いアンバランスは、議員の発言により明瞭に認められる。

例えば、

この陳情書には「学校に対して指導すること」とあるが、これは、権力主義以外のなにものでもないと思う。(男性議員B)

まさしく、この共助の組織に対して、公権力が介入することはないと思う。陳情権は誰にも保障されているので、どんなものでも出されることは止められないが、こういうすべてを公で何とかしてくれというのは、これからの私たちの社会に対して非常に心配だ。(女性議員B)

そもそも、PTAというのは、自主的、自立的な任意団体なので、教育委員会に頼んでこのようにすべてをがっちりと、一つのルールに基づいて一律的に指導するというのが、まず違っていると思う。(男性議員E・副議長)

と、PTAの自主性・自立性を守ることに関しては厚い配慮が示される。しかしながらその一方で、

自動入会のことを問題にしているが、役員の手間や、入会のしやすさを考えると、「原則自動入会」にしておくのは、ある意味、配慮されている仕組みかなと思っている。
ただ、それがもし強制ということにとられるのなら、そうではないのだよ、ということをPTAの中で皆さんで勉強するのが私はいいと思う。(女性議員B)

と、「自動加入」を容認・肯定し、もしも問題を感じるのなら「PTAの中で皆さんで」話し合えと言う。つまり、「PTAに入らない」という選択は認めないのだ。
自動加入に関しては、男性議員D氏も「事実上、自動加入でもやむを得ないのではないかと思っている。」とはっきりと容認している。

そして、その他の議員も、事実上、「自動加入体制」を容認・肯定していると言える。
今回の陳情にもっとも同情、共感した女性議員A氏でさえ、

そのためにも、この陳情者にも、まずPTAの活動に関わって中側から変えていってほしい。

と、PTAに入らないという選択は認めていない。

また、男性議員A氏も、陳情者の問題提起にかなりの理解を示しているものの、

学校において保護者同士の中でやはり民主的にちゃんと会議を持って、そこでしっかりとした話し合いがもたれて決めていくことが本来の原則だ
(…)
確かに、PTAは入退会自由であるとは思うが、そのことを広報・周知すると、逆にまたどんどんなり手が減ってしまうのではないか。したがって、先ほども述べたように、当事者同士が決めるのが原則だと思うので、この陳情には賛同しづらい。

と、やはり、PTAに入らないという選択を認めない。

その他の議員の発言でも、
私も、ぜひPTAの中にいっしょに入ってもらって協力いただきたいと思う。(男性議員C)、

PTAの中で、いわゆる民主的に、それぞれの会員はお互いの立場を考慮・尊重しながら運営して行ってもらうしかないのでは(男性議員D)、

皆さんが言ったように、PTAの中で話し合って解決する問題(男性議員E)

と、皆一様に、「PTAの中での話し合い」を求め、「PTAに入らない」という選択を認めようとしない。

しかしながら、言うまでもなく、PTAは、社会教育法に言う社会教育関係団体であり、青年団や婦人会、老人クラブと同様の「任意加入の団体」である。
議員各位は、このPTAの基本的な性質をどう考えているのだろうか?
参加を義務付けられていない団体への参加を大前提とすることは、個人の選択の自由を認めないということになる。

今回の陳情審査において、教委事務局と市議の発言の中には、何度も「民主的」とか「民主主義」という言葉が使われていた。
だが、団体の自主性・自立性ばかりを大切にし、個人の自主性・自立性(つまり、人権)をないがしろにして、民主主義が成り立つとは思えない。


2.「くじ引き」等による役員の強制を認めるのか?
教委事務局は、男性議員A氏からの

・陳情書に指摘されているような役員の強制という事実があるのか?
・役員のなり手がいないという声は聞いているか?

という質問に対して、次のように回答している。

・「役員の強制はあるのか」について答える。先ほどから述べているように、PTAは民主的な組織なので、役員選びに当たっては、当然、会員同士の話し合いの中で決まっているものと認識している
・役員不足は全国的な話。ただ、今も述べたように、会員の中で民主的に話し合って役員を決めるのが本来の姿だと考えている。
(太字、引用者)

また、議員からも、以下に示すように、役職の強要・強制は許されない旨の発言もあった。

その中で強要することがないように気をつけてほしいと思う。(男性議員C)

やれない人はやれない事情を地域でも理解しながら、協力し合うことが大切。だから、強制とかはあってはならないと考える。(男性議員D)


本部役員や委員会の委員長などの負担の大きな仕事をくじ引き等によって押し付ける「役員の強制」が、PTA問題の核心だと考える。

何者かが独裁的に強権を発揮してくじ引きを強行するという場合、これは言うまでもなく民主的な決定と言えず、「認められない」ということになるだろう。
では、役員会なり選考委員会なりの場所で話し合いが行われ、その結果、「くじ引きによる決定もやむを得ない」となった場合、それは、千葉市教委の言う「民主的な話し合いによる役員決め」として認められるのだろうか?

陳情の審査に当たった教育未来委員会所属の議員たちは、先に見たように、「自動加入」を容認・肯定している。
千葉市教委、そして各議員は、くじ引きによる役員の決定も容認・肯定するのだろうか?
もしも、「自動加入」だけではなく「くじ引き」まで容認されるとしたら、保護者は、何の法的権限もない団体に一方的に会員にさせられ、その上、負担の重い仕事を強要されることになる。
このような非人道的かつ非民主主義的な行為が認められていいとは到底思われないのだが…。

千葉市教委の言う「民主的な話し合いによる役員決め」の中に、「くじ引きによる役員決め」が入るのか・入らないのか、近いうちに、ぜひ確認してみたい。





1 ■無題
本当に議員の人権無視の発言にはあきれるばかりです。
お金と時間が自由にあるなら、PTA被害者の会でも作って訴訟をすぐにでもしたいくらいの気持ちになります。

2 ■Re:無題
>〈義勇兵〉さん
じっくりしぶとくやって行きましょう。

ブログ「長者中学校 PTA の健全化を考える」で、hanaさんもコメントされていますが、最近の御ブログのエントリ、とても勉強になっています!
http://cepta.blog.fc2.com/blog-entry-58.html#comment150

3 ■「中でみんなで話し合え」の問題性
エントリの内容に関連して、ぶきゃこさんが昨年の9月拙ブログに寄せてくれたコメントを以下に引用しておきます。

*****
よりよいPTA活動と入退会自由の保証は、表裏一体のもので、強制的に囲っておいて「話し合いましょう話し合えばきっと良くなる」ということはあってはいけないと思います。
正直さんがまさに「アンケート結果通りにすることだけが適正なわけではない」と感じておられるように、数の論理の中に放り込まれて「このように決まりました」と言われても喜んで共に活動できない人もいるのですから。
(以上、コメント19より)

私の申し上げる「退会という手段の保証」は、物理的にできるかどうかではなく(そういう意味では全国のPTAで退会は保証されています)、「退会がモラル違反でも義務の放棄でもなく、全員が持っている人権なのだ」という意識が共有される状態のことをいいます。
現在のように、「退会するのはそちらの自由。それに対して悪感情を持つのもこちらの自由」というようなことを言ってはばからないような人たちがたくさんいる状況では、一般保護者には退会が保証されていないのと同じです。

そういう状態を知りながら放置している(全員参加にするため推奨している可能性もある?)国・自治体・学校の姿勢は、いじめ報告を極小にするためにいじめをなかったことにする姿勢と同じであり、その責任はこれからもほそぼそと指摘していきたいと私は思っています。
(以上、コメント20より)
*****
http://ameblo.jp/maruo-jp/entry-11343738443.html#cbox

4 ■話し合いの意味
本当に入退会が自由であるということが、対等な関係での話し合いの前提条件だと思います。

話し合いというのは、歩みよりや、妥協点を探したり、様ざな解決案を模索するものだと私は考えるのです。
PTA会長や学校長は説得か拒絶かという感じで、こちらが言うことを全面的に聞かないのが駄目という発言なので建設的な話し合いができないのが、実態ではないかと思います。


5 ■無題
今回の陳情は完全に作戦ミスです。市会議員って選挙で選ばれます。PTA会長って結構議員の後援会幹部だったりするんですよ。わたしもそうでした。だから議員が選挙でお世話になる人たちを、怒らせるようなことをするはず無いでしょう。
もうすぐ参議院選の投票日ですが、PTA問題を公約にして当選できると思いますか?絶対無理です。ここで議論している人たちは例外で、日頃PTに文句を言ってる一般の保護者は、無関心層なんです。わざわざ手弁当でPTAを糾弾するする気議員を応援しようなんて全然やる無いんです。

議員さんたちは、皆さんが思っている以上にPTAの内情について詳しいし、個人的には陳情に賛同している人もいると思いますよ。だけど、そこでPTA執行部を起こらせるような議決をしたら、どうなるかという議員としての損得勘定が働いたと思います。


私だったら、「単位PTAがP連に自動入会させられているのは問題だ」という切り口で役所を責めますね。単Pを被害者にして教育委員会を議員と一緒に攻撃すれば良いんですよ。

いずれにしても、どちら側の勢力も、「任意団体」という言葉を自分たちの都合の良い解釈で主張してるから、無限ループが続くんでしょうね。


6 ■権力主義?
「違法PTA」が話題となっているこの時期、抜群に面白いエントリシリーズで、興味津々、拝読しております。
ありがとうございます。
私は「権力主義以外のなにものでもない」という議員の発言に苦笑を禁じ得ません。
住民が行政機関に対して「法令に基づいてきちんと行政の仕事をしてくれませんかね」と物申すことを権力主義と表現する議員に「あなたの権力観って何なんですか?」と問いただしたくなります。
議員の仕事というのは、行政機関に対して「法令に基づいてきちんと行政の責任を果たしなさいよ」と言い続けることではないでしょうか。
みずからの仕事を権力主義と自嘲しかねない議員がいるとは、千葉市議会のメンバーも玉石混交のようで、興趣が尽きません。

7 ■Re:権力主義?
>姫路さん
励ましの言葉、ありがとうございます。

>私は「権力主義以外のなにものでもない」という議員の発言に苦笑を禁じ得ません。

しかも、どの議員も大筋では同様のスタンスをとっていますよね…。

もっとも、当日は、他に二件の審査(給食関連)があったのですが、それへの対応は非常に納得のいくものでした。
その落差が、問題の根深さ・難しさを物語っているように思っています。

8 ■干渉には干渉で
たまにオジャマする町内会厨の菊千代です。

まるおさん、皆さん、そもそも日本のPTAが発足した時の歴史をどなたか知りませんか?町内会の募金強制問題も、行政は任意団体に干渉できません、と言って逃げるのですが、そもそも昭和22年の共同募金が始まった年から旧隣組に対して厚生省が強く募金の取りまとめを要請してきた事実があります。

これは町内会に対する官の干渉です。

PTAの初期にも似たような文部省、教委の干渉はなかったでしょうか?突きどころと思うのですが。


9 ■寺脇さん
寺脇研さんのツイートです。

https://twitter.com/ken_terawaki/status/359336997627756544

うむ~・・・・・


10 ■Re:干渉には干渉で
>菊千代さん
ありますあります!
まず、PTAの前段階として各学校に「後援会」「母の会」というような金銭的奉仕的な父兄婦人の会が存在しました。
PTAという概念仕組みをもたらしたのがGHQ。これを受けて、当時の文部省が強力に広報を打った経緯があります。
http://www.think-pta.com/PTA_kiyaku/kiyaku_nice.html
の[002]第二次参考規約
http://www.think-pta.com/shiryou/shiryou_index.html
あたりもご参考になるかと思います。


11 ■Re:Re:干渉には干渉で
すみません、タイプミスです。
(誤)金銭的奉仕的

(正)金銭・奉仕による学校支援を主目的とした
に読み替えてくださいまし。


12 ■Re:Re:干渉には干渉で
>猫紫紺さん

なるほど、文部省の「PTA参考規約」ですか・・・「町内会参考規約」とまるでいっしょですね。そして、参考規約後半の「備考」が興味深い。PTAの今を予言して、くぎを刺しています。見方によってはこれこそが官による干渉?とにかく、旗振り役、火付け役なのは間違いないし「備考」も書いているのだから、不肖の子を産んだ文科省、教委には絶対責任をとらせるべきです。

>まるおさん

役人がPTAの自主性・自立性への配慮ばかりで、各家庭の自主性・自立性を考慮しないのは、それが仕事だから。「立場主義」だから。内部で主張すれば飛ばされるから。要するに小役人だから。

>経験者さん

自民、民主、公明、社民、共産、これらの党はすべて全体主義的傾向があります。個人より共同体を優先ということです。町内会の募金強制、消防団の違法寄付集め、これらに異議を唱えた時、すべての上記政党の議員が反対、妨害にまわりました。裁判するぞと言って消防団の件は止めさせましたが、募金の件は自分の町内会での強制を止めさせた後、周りに広げようと思ったら「滋賀の募金裁判の判決無視」の文書に妨害されています。役人、議員は前述のとおり。募金の件はPTA同様、国民コントロールの「国策」なのです。


これを直すには、PTA内部で大声をあげて改革するか、不肖の子を作った文科省の責任を証拠資料をあげて徹底追及するか、「悪」には近寄らないと入会しないか、でしょうね。


13 ■質問
主様

このスレッドが、何年続いているか知らないけど、PTA活動を強制されている保護者を救済する処方箋は見つかったのですか?

「入退会自由の徹底」は、ここの主様の「一丁目一番地」らしいですが、もうそろそろ、実現可能な方法でアプローチする時期に来ているんじゃないですか?

今回の件でも、お上頼みが難しいことはもう分かったんじゃないですか?

任意団体という建前で議論する限り、解決策はPTA執行部が自ら作るしかないのですよ。

学校の校長や教頭が飲める現実的な「PTA改革案」を、執行部が作れる環境作りを手助けしてあげたらどうですか?
これをやらずして、「入退会自由」を導入しても誰も幸せになれないことに、もうそろそろ気づいて欲しいなー。



14 ■無題
PTAに外圧を与える、それも校長からPTAに対し入会届を保護者に配布させることを求めさせる方法があります。会費徴集を学校に頼るPTAの弱点を突くやり方が。業務委託契約に不可欠なPTA会員名簿の作成という弱点です。行政の弱点は、情報公開の義務と責任逃れ体質ですから。


15 ■無題
実感として、入会届を取り付けるPTAは私の周りで増えていますよ。
「昨今、巷でPTAのあり方について議論が起こっているようですが…」という導入でモノが語られているのを見ることも多くなりました。
その導入の後に続くものは、入会届の新設だったり、活動内容の見直し(削減)だったりしますが。
まるおさんがなさってきたことは、着実に人々の耳に届いていると思います。

最近の大爆弾として木村草太氏の発言がありますが、あれだってまるおさんたちの地道な活動が前提になければ、唐突感しかなかったはずです。


16 ■Re:無題
>ぶきゃこさん

ご無沙汰してます。
私は、まるおさんの今までの活動を否定してる訳じゃありませんよ。むしろ、PTAが変われるチャンスなので、この機会に彼ら自身の「気づき」を促す方向性にもっていったら、と提案しているだけです。教育政策で家庭、地域、学校の連携を打ち出している限り、PTAというツールを簡単に行政が手放すとは思えませんから。

前にも書きましたが、PTAって「横並び」、「前例主義」の団体ですから、入会申込書を取る団体が増えてくれば、「ウチもそろそろやらなきゃ」ということになってくるかもしれません。
ただし、入会申込書を「アリバイ」に使い、さらに「自分の意志で入会したのでから、活動するのも当然だ」というロジックを打ち出してくる可能性もあります。全員で平等にという、同調圧力が蔓延している中で、PTA執行部に善意の前向きな意志がないまま入会申込書だけを作っても、保護者のメリットは何もないかもしれません。

いまでこそ、ここに偉そうに書いてる私ですが、6年前にPTAを変えようと動き出したときは、人間関係、関係団体の力関係も何も分からず、ネットにも情報が無い時代でした。「このままでは、よくない」と思っている人は、世の中には少なからずいるはずです。
PTAという組織を変えるには、日本人の国民性と地域性を考慮し、さらに関係者が飲める改革案を自分たちで作るしかないのです。
以前ここで私が学校に配慮した発言をすると猛反発がありましたが、学校が承認してくれない改革は絶対に失敗します。
朝日新聞のコピーを握りしめて、「さぁー改革をやりましょう」では、誰もついてきません。

長々と書きましたが、このブログが、今年から会長になった罪もない人たちを責めるのではなく、彼らの「気づき」と「行動」を促すものになって欲しいと願っています。





17 ■Re:Re:無題
>経験者さん
>PTA執行部に善意の前向きな意志がないまま入会申込書だけを作っても、保護者のメリットは何もないかもしれません。

メリット?辞めればイイのですよ。

亀ですが・・・「今回の陳情は完全に作戦ミスです。」とのお言葉。
「違法PTA」のお話が広まる前の陳情ですので、陳情では「(違法行為による)実害がある」と触れにくい状況だった、のだと考えます。そうなりますと、判断する側の議員は「入会後の問題」として捉えるのも仕方がないところだと思います。
本件陳情では「入会前の問題」であることを十分に説明出来なかったのにも関わらず、女性議員Aさんも入会手続きや運営問題について言及しておられるので「作戦ミス」とは言えないと思います。が、加えて施設の「目的外使用許可」について、「公序良俗」を前提に是非を問うても良かったのではないのか、と考えます。
「違法PTA」の存在は「公序」となるのか。これは任意団体の運営に権力が介入するのではなく、公序良俗と法的に言えない団体に公共施設の使用許可を与えて良いのか、これから問われるべき問題です。
「違法PTA」について、行政側は「一有識者の見解」と逃げを打つところも出てきておりますが、真摯に対応せずに住民との信任関係が得られると思っているのか、これが「社会教育の醸成」と言えるのか、疑問です。
なちぶうさんの仰る「個人情報保護法」の問題も重大です。
どちらにせよ行政は、今後、「任意団体PTAが勝手にやっていること」とは言えなくなるでしょうネ。


18 ■Re:Re:Re:無題
>経験者さん、PTAのあり方とは・・さん

>全員で平等にという、同調圧力が蔓延している中で、PTA執行部に善意の前向きな意志がないまま入会申込書だけを作っても、保護者のメリットは何もないかもしれません。

単PTAが校内全部の児童生徒のための活動をする、親が会員か否かは関係ないよってことを、声高にしないと、「かたちだけの入会書」になると、私も思います。


19 ■Re:Re:Re:無題
>PTAのあり方とは・・さん

違法PTAって、具体的に誰がどんな罪に問われるのでしょうか?
世の中の警察官、検察官、裁判官、弁護士も人の親です。彼らの子供が通っている学校のPTAが違法なら、法曹人として見過ごすことはできませんよね。女性の法曹人だっているし、何千人もいる法曹人が、今まで誰も気づいていなかった?どうして訴訟が起きなかったのでしょうか?

残念ですが、世の中の母親は99%以上、木村さんのことを知りませんし、子供の人権も守れない学校や教育委員会が、これくらいのことをスルーするのは、朝飯前だと思いますが。


20 ■Re:Re:Re:Re:無題
>非常識人さん

例え「かたちだけの入会書」であっても、立派な意思表示となります。
「入らない」とする意思表示も可能となります。

また、「PTA会員の子供のためのPTA活動」となれば、学校から放逐出来ます。

>経験者さん
>「誰がどんな罪に問われるのでしょうか?」
>「どうして訴訟が起きなかったのでしょうか?」
「結社しない自由」について保護者同士争っても仕方がありませんし、第一、学習環境が悪くなります。
罪(地方財政法、個人情報保護法違反などなど)を問うべきは「行政」側なのですが、実際には費用が掛かります。
費用をあまり使わない方法もありますが、その方法を発見するには“実戦経験”を積まなければ不可能かと思います。

法曹会の顧客には「行政」も居りますし、弁護士は正意義の味方ではありませんから“スルー”していたのでしょう。
でも、世の中が変わってしまった・・・というところですね。

>「世の中の母親は99%以上、木村さんのことを知りませんし・・・」
あなた様がPTA改革をなさった頃も「PTAに関する情報」は少なかったのでは?


21 ■Re:Re:Re:Re:Re:無題
>PTAのあり方とは・・さん

>あなた様がPTA改革をなさった頃も「PTAに関する情報」は少なかったのでは?

私がやり出したのが6年前です。その当時は「入退会自由」という文言すら無かったと記憶しています。改革を始める情報はありませんでしたが、きっかけはありました。
会長になって初めての全体委員会で、2年生の学級委員のお子さん(乳飲み子)が、大泣きし始めて、困ったお母さんが会議中におっぱいを飲ませ出しました。わたしは、どうして乳飲み子のお母さんが委員になっているのかびっくりし、独断で子育てに専念するため今後一切のPTA会合への出席は見合わせてくださいとお願いしました。
ところが、数人の委員が私に食ってかかってきました。
詳しいやりとりは省略しますが、この委員さんたちとの会話で「ある強烈な違和感」感じました。昔どこかで感じた「臭い」だったのですが、自分の中学時代に感じた「臭い」だと気づきました。
私の中学時代は、事細かな校則で生徒を縛り、生徒のいかなる自由も許さない空気が支配していました。いわゆる「管理教育」です。管理教育は「先生が生徒を」、「生徒同士で」監視させ、少しでも規格から外れたら制裁を与える社会です。初めての打ち合わせで、委員さんたちからのクレームが、中学時代に私を苦しめた管理教育時代のやりとりそのものだったのです。PTA問題で出てくる、「人との違いを認めない」、「他人を思いやれない」、「活動を楽しめない」思考は、「管理教育の亡霊」と思えるほどです。
さらに、今の学校管理職は、管理教育時代の若手教員です。今の世の中では到底許されない人権無視の管理教育を行った側と受けた側が一緒になってPTA活動をやっている。
もう少し世代が進めば、変わってくるのでしょうかね?


22 ■管理教育ほか
>経験者さん
横ですみません。
管理教育のお話、興味深く拝見しました。ありがとうございます。

>6年前です。その当時は「入退会自由」という文言すら無かったと記憶しています。

「入退会自由」という文言は、
初出は川端さんの『PTA再活用論』(2009.9)pp.149-160に「入退会は自由」という文言として頻出します。
次に、2010.02.21の朝日新聞の見出しに「PTA 実は入退会自由」という文言が載った
――と私は把握しています。

>もう少し世代が進めば、変わってくるのでしょうかね?

自分の頭で考え、自分の言葉で表現する世代が育ちつつありますから、世代が進めば変わってくる――と私も信じております。

23 ■Re:Re:Re:Re:Re:Re:無題
>経験者さん
深夜に失礼致します。
あなたは内部で改革を進め、大変なご苦労をなさった。
「管理教育」によりPTAの内部改革は“困難だる”と・・・。

仰る通り「管理教育」と「集団化教育」、それとPTAを本来の社会教育の場としてではなく“道具として利用したい”という思惑が改革を困難なものとしている、と考えております。
なぜなら、「改革」が比較的上手くいっている学校は校長≒行政の“物分りが良い”と思われるからです。

ただ、今回はPTA運営違法論がはっきりと世に示されたことで、「世代」というより数年で変化が出ると見ております。

私は、「公序」は「法律」により「約束」されるものだと思っており、これを無視することは権力者である「教育公務員の暴走」と見做しております。

「暴走」を認めるか・認めないか、は市民次第なのです。


24 ■千葉市の情報です
http://ameblo.jp/maruo-jp/entry-10301235651.html

尚、この回答は、陳情審査前に市が回答していることを確認しております。

それと、くじ引きについて。
自動加入、任意加入周知なし、入会届けなし、1子1役PTA事例をお知らせします。

1)PTA役員経験アンケートの提出がない場合、経験をなしとする(優先的に役員をすることになる)
2)役員が立候補で決定しない場合、役員決め出席の有無に関わらす、全ての会員に平等に回るようにくじ引き等の抽選で決定する
3)役員決めに参加できない場合に抽選で役員に選出された場合、異論の申し立てはできない
4)活動に対して著しく非協力な場合、役員を全うしたと考えない

3)の申し立てができない点は、書面でのやりとりなしでは、正式に契約が成り立たないと思うのですが、いかがでしょうか?

25 ■教育未来委員会議事録は今月末くらいに(まるお)
議事録がまだネットで見られないので、議会事務局に聞いてみたところ、今月末か来月頭には見られるようになりますとのこと。
いやあ、半年くらいかかるのですね・・・。

「アー」、「ウー」とかは除いて、基本的には一言一句再現される方式とのことでしたから、時間がかかるのかもしれませんが。

その議事録を確認したうえ、千葉市教委にはいろいろ問い合わせてみたいと思っています。