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2010-08-03 16:51:51

This is a pen.を日本語にできるか?

テーマ:エビデンスとしての日本語
上記タイトルで、勤め先のブログに文章を書きました。
日本語の特質について、森有正(そしてその良き理解者であった伊丹十三)の力を借りて、高校生、大学生を対象に分かりやすさを心がけて書いたつもりです。

こちら です。

ノートルダム大聖堂の写真が出ているのは、ぶっちゃけ「いろどり」というのもあるわけですが^^;、森有正が生涯こだわりつづけた対象ということもあります。彼は、その「構築性」に惹かれつづけたのだと思います。


森が日本語の問題点として指摘した「現実嵌入」について、一言。
ことばが現実と関係を持つことは当然なわけですが、現実が対象化されことばによって表現されるのと、現実がことばの中に入り込んでくることは違います。

ある人が天皇の前に出て、

「陛下、これは○○でございます。」

という場合、その人と天皇陛下との関係性は対象化されることなく、そのことばの中に「嵌入」していると言えます。
いっぽう、

「天皇は日本語の敬語体系において最高度に待遇される存在である。」

といった場合、それは、天皇の日本社会におけるポジション(=現実)が対象化されて表現されていると言えます。

前者の「表現」は、韓国語などをのぞいて、世界のほとんどすべての言語で「表現」不能の特殊なものなのに対して、後者の表現はどのような言語であれ可能なものです。