<251> #13

2014-03-23 22:50:15

「PTA改革」への率直な疑問  ― 全員加入型PTAに「活動の任意性」の担保は可能か?

テーマ:PTA問題の実際的解決をめざして
<嶺町小PTA改革についての疑問>
前エントリで、嶺町小のPTA改革について「任意性の担保の面で問題を感じる」と述べました。ブログ等で公開されている情報から判断すると、入会の面でも役員決めの面でも保護者一人一人の自由意思が十分に尊重されているようには思えないからです。

まず、入会についてですが、次に引用するように、全員加入を前提とした説明がなされています。

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「嶺町小学校PTOとは」
嶺町小学校では子供が入学、転入すると、保護者にはPTO(PTA)への加入をお願いしています。
(中略)
趣旨をご理解いただき、皆様のPTOへの入会をお願いいたします。

「2.会員」
嶺町小学校児童の父母、又はこれに代わる者(以下、保護者という)および常勤の教職員(以下、教職員という)です。
入会は本会の趣旨にご理解の上、本校の保護者、教職員の方はご加入ください。
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(「嶺町小学校 PTOのしおり(案)」より)
http://blog.goo.ne.jp/minemati-pta/e/a0ba206113188fe65018f5f46eebc552

「『お願い』だからいいだろう」という反論があるかもしれませんが、「給食費」や「教材費」等の支払い要請も、通常「お願い」という形でなされるので、その反論は成り立たないと考えます。
また、「嶺町小学校では」と「主語」が学校になっている点も気になります。

次に役員決めについてですが、以下に見る通り、初年度(平成26年度)限定とは言うものの、各クラスにボランティア選出の「ノルマ」が課せられています。これまでの強制型PTAとどこが違うのか理解に苦しむところです。
嶺町小PTA「平成25年度PTAだより 第11号」によれば、従来の委員会を廃止して作られた三つある「ボランティア部」(校外活動部、安全・防災部、夢マネー部)に関して、「自由参加の活動」と位置づける一方で、

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初年度は各クラスにつき各部1名以上選出します。
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としているのです。
http://blog.goo.ne.jp/minemati-pta/e/77cdf1ff78e7969207ea5622d4b5f321
つまり、各クラス3名以上の「ボランティア部員」を選出しなくてはならないということです。
「強制」でスタートする『ボランティア部』が真の「ボランティア」になることができるのでしょうか?
(追記)各クラスにノルマを課すという方針は、その後、変更されたとの申し入れが、嶺町小PTO団長の山本さんからありました。コメント2を参照ください。


<全員加入と「活動の任意性」の担保は両立するのか?>
実は、札幌の札苗小も、会則には、任意加入としながらも、「ただし、その目的や趣旨から、全ての保護者および教師の加入が望ましい」と明記されています。
http://satsunaepta.jimdo.com/新会則-組織図/
(もっとも、それは校長の強い意向を受けての苦渋の選択であったようです。
http://blog.livedoor.jp/moepapa516-pta/archives/53890893.html)
また、岡山の西小も「全保護者のPTA参加を!」と同趣旨の内容が謳われています。
http://www.city-okayama.ed.jp/~nishis/pta1/ptatop2.htm
つまり、改革を行っているとされているPTAにおいても、「全員加入」を志向しているわけです。無理強いはしないとしても。

私は、「原則全員加入」でも、役職の強要さえなければそれはそれで“あり”という立場に立ちます。そして、札苗小は、「活動の強要なし」の原則を守り通して1年の活動を終えられたようです。
これはもう本当に素晴らしいことだと思うと同時に、moepapaさんだからこそできたことであって、全国のPTAに応用するのは難しいのではないかとも思っていました。
実際、札苗小でも、今年度の行事に積極的に関わったグループから、来年からは「委員会制」を導入できないかとの提案がなされもしたようです。
http://blog.livedoor.jp/moepapa516-pta/archives/54054171.html

そんなことを考えていたところ、最近、moepapaさんから、拙ブログに以下のようなコメントをいただきました。
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「やるべき人」から「やりたい人」へ
おっしゃる通り、この発想がとても大切だと感じています。その一方で、組織の執行部として「ぜひともやりたい事」という企画が必ずあります。役員だけで出来るのであれば全く問題ありませんが、会員をボランティアとして集う必要がある場合に悩みます。「やりたい人」はどれだけいるのか?更に、その「やりたい人」はPTA内にいるのか、それとも地域の方々の中にいるのか?いなければ、役員内の「やりたい人」だけでやるか中止するか・・・その落としどころが現実にはとても難しいです。通学時の交通安全指導など、教師と地域のボランティアさんが子どもたちのために朝から旗振りをしてくれているのに、保護者がゼロでよいのか?「やりたい人」がいないという理由だけでバランスがとれるのか?悩みます(笑)
moepapa 2014-03-12 12:17:08
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http://ameblo.jp/maruo-jp/entry-11759943039.html
(コメント40)

あのmoepapaさんにして、「活動の任意性の担保」には苦労されていることがうかがわれました。

そんな折、上で述べたように、嶺町小PTAでは、改革を掲げつつ、入会と役員決めの双方において任意性を軽んじる動きがあることに気づきました。そのようなことから、PTAにおいて、一方で全員加入を志向しつつ、一方で活動の任意性を担保することは不可能に近いのではと思い至るようになりました。

「活動の任意性を担保する」、つまり、「役職の押し付けをなくす」ためには、従来の全員加入型モデルから脱却し、完全任意の「おやじの会」的サークルになる以外に道はないのではないか? というのが現時点での一応の結論です。
この問題に関しては、引き続き、考察を続けていきたいと思っています。

※moepapaさんからのコメントに対して、先に引用したエントリのコメント41で返答しています。合わせてご参照ください。


(追記)
不適切な表現を改めました。コメント3を参照ください。





1 ■任意性の担保
ボランティアなのに、任意性が担保されていないような内容ですね。

任意ということは、誰も応じないということを想定した文言であるはずです。

必ずということを、お願いと言い換えているだけのようにおもいます。

学校やPTAの文書にはよく使われる言葉ですね。


2 ■取材なしの勝手な論評は心外です。
これまでのPTAに関する活動や発言には敬意を表しますが、今後は、当校HPやブログの無断引用をやめていただきたいと思います。

ネットに公開している情報がすべてではありません。

「初年度は各クラスにつき各部1名以上選出します」

その時は、そういう考えもありましたが、結局、新年度のスタートにあたって各クラスからの強制的な選出はありません。去年の時点でその方針は決定していますし、全家庭に周知済みです。苦痛の保護者会はありません。部員は自由参加です。
改革の話し合いのプロセスの中で、いきなり変えることへの不安や不満を聞きつつ、最終的に完全な手上げ方式でまとめました。

学校や地域の特性によってやり方もいろいろあるでしょう。十人十色のPTAがあっていいと思います。そこにいる会員たちが話し合い、自分たちのやりやすい形にすることが大事だと思います。

改革のプロセスの裏側には、本当にいろんなことがあります。そうした現場の苦労を知ることなく、ネットにある情報だけで「改革を標榜」などと書かれたことは心外です。

「しおり」を作っているのは、一般の保護者だということも理解していただきたいと思います。日本語の専門家ではありません。

反論に時間を費やしたくありません。事実訂正にとどめ、本ブログからは失礼したいと思います。

最後に、専門家であるなら、公に書く前に直接事実確認をするべきだと思います。
本ブログを知らなえければ反論の機会なく、事実誤認の情報がネット上に流布されるわけですから。

嶺町小PTO団長 山本浩資

3 ■コメント、ありがとうございます。
>山本さん
はじめまして。
表現がきつくなったところがあったかもしれません。

「改革を標榜」については「改革を掲げる」とし、また、「任意性を抑圧」については「任意性を軽んじる」と改めます。

この点については、取り急ぎ、お詫びして訂正します。

これに懲りず、今後も意見交換・情報交換をしていただければと思っています。

4 ■:コメント、ありがとうございます。(その2)
クラスにノルマを課す方針がその後変更されたことについても、本文中に「追記」の形で言及いたしました。

5 ■Re:取材なしの勝手な論評は心外です。
ブログに書かれた情報だけで判断して論評するのは、いけないことなのでしょうか?
こう言っちゃあなんですが、このブログだってしょせんブログです。
山本さんだってこの記事を「まるおさんの考えそのままだ」と判断してるわけですよね?
ネットの世界ではネット情報で判断するのはお互い様だし、ブログに書いたらその通りに取られるのは当たり前だと思いますが。
「ブログだけで判断するな!何故ならブログは事実と違うのだから」というのは随分な話だと思いますよ。
事実と違ったんなら、「誤解を招く表現ですみませんそうではありません。当方のブログ訂正しました」が、普通の対応では?
よそのブログに来て「勝手にブログ見て事実と違うこと書くな!」は、すごく違うだろうと思います。

まるおさんは確かに専門家ですが、このブログはギャランティーをとってるわけじゃありませんし、学術論文でもないです。「雑記帳」です。
たかが雑記書くのにいちいち電話確認しなきゃならないんですかね? ブログに信憑性がなく電話取材に信憑性が有るという根拠は? ブログは少なくとも執行部の方々の目を通っているでしょうが、電話は個人がフリーにしゃべれますよね?
嶺町小PTA会員が幸せであれば、自ブログにどう書こうがほっといて!勝手なこと言わないで!なら、それをもとに当然に判断されるインターネット公開の危険性をもう少し考えられたほうがいいと思いますし、それこそまるおさんのような「外野」が何いおうが、嶺町小PTA会員が幸せであれば誤認が流布されようが関係ないわけですしね。
>反論の機会なく、事実誤認の情報がネット上に流布される
って言われても、ソースは自分とこのブログじゃない^^;って思う私はおかしいのでしょうか?
第三者のウワサブログを、元記事を確認もせずに書いたならまだしも…。
まるおさんの口封じをする以前に、ソースを直すのが安全ではないでしょうか? 今後もまるおさん同様の人は現われるかもしれませんよ。

今後は、「このブログは会員用であり、書かれていない情報もありますので、このブログをもとにした当PTAの無断論評はお断りします。」と1行表記されるのがよろしいのではないでしょうか。それか入り口にパスワードかけるか。


6 ■つづき1
もう1つ、追加で疑問に思うのは、山本さんのお考え「任意性は完全に保証している」を、保護者全員がほんとうに理解しているのか?という点です。
人の団体というのはたとえ10人規模でも、ポリシーを浸透させるというのはなかなか大変なことです。そうではありませんか?

「PTAは任意加入」(「活動は自由参加」と言い換えてもいいですが)は、言葉としては最近はやってる感じもしますが、現場の保護者においては「そうは言ってもみんながやってるのにやらないわけにはいかないわよね」「そうは言っても全員やるものでしょ?」という意識のままだというのが私の偽らざる実感です。
PTAは「いわゆるPTA」であり、まるおさんのおっしゃる「おやじの会」的なものだと捉えている保護者は、ほぼいないです。

なにが言いたいかといいますと、これから子どもを入学させる一般人が「しおり」を見たときに「入会するかしないかは自由選択であり、入会しなくても何ら嫌な目には遭わされない」というところまでとても理解できないだろう、ということを言いたいのです。
むしろ、入学のごたごた時に「PTOはこんなに重要な活動をしている。保護者には入会をお願いしている。」と言われてノーと言ったら、「活動の理解もしないKYと思われるだろうな、とりあえず入らなきゃならないもんなんだよね?」という感覚でついでに入会手続きしちゃうのが「一般人感覚」である、と私は断言します。


7 ■つづき2
学校の応援をすることが悪いとは思いませんが、人の応援どころではない人も確かに一定数います。嶺町小の立地では想定外なのかもしれませんが。
PTOを素晴らしいと考えるのは団体側の自由ですが、「子供は大人の背中を見て育つ」に、私は入会を避ける保護者へのモラル批判を感じました。

この「しおり」を見てから入会するかどうかを判断するまでに、どのくらいの猶予が在るのでしょうか?
この「しおり」を見て、PTOは学校とは完全に別団体であり、ボランティアをしなくても入会しなくても、何ら不利益はない「有志のみ」の会である、ということを理解できるでしょうか?

私には、やはりこの「しおり」には、「あえて言及を避けている」部分があるように思えてなりません。
何百人規模で会費を集める団体が、募集用の文書を「日本語の専門家じゃありません」で済ませるのはどうなんでしょうか。
だったら、それこそ日本語の専門家であるまるおさんに指摘されたら、真摯に省みるべき問題なんじゃないでしょうか。
特に、「嶺町小学校では子供が入学、転入すると、保護者にはPTOへの入会をお願いしています」は、非常に問題の有る表現であり、「一般保護者の文言ミス」で済ませることは許されないと思います。
26年度入学児童の保護者にこれを配布する前に「嶺町小学校PTOは入学、転入されたお子さんの保護者さんに入会をお願いしています」などに訂正しないと、私のような口の悪い外野に「詐欺」呼ばわりされるかもしれません。


8 ■おまけ
重箱の隅をつつくようで恐縮ですが、山本さんにはPTOブログの引用を断ることは出来ても、小学校HPの引用を断る権限はないと思います。


9 ■Re:取材なしの勝手な論評は心外です。
>嶺町小PTOさん

> 「しおり」を作っているのは、一般の保護者

「一般の保護者」を侮蔑または差別しているのではありませんか?


10 ■付属中
家は夫が役員をしています。一年だけの約束で、新旧交代する間際に電話がきまして、その人は会社の先輩でもありましたので引き受けるしかありませんでした。

実態は、付属中出身の親の集まり?仲良しクラブのようで呆れています。深夜まで男女で飲み、まだ面識もないうちに、仲間の女性から夫の携帯にメールがきました。

その日、飲み過ぎた方を夫が送ってかえってきたので、その女性は酔ってしまった男性のことが心配のようで、夫の携帯に○○さんをよろしくお願いしますと、いきなり深夜のメールでした。

前年度、そのお二人は一緒に出張に行ったりと、ご夫婦?のような雰囲気で噂になっていましたが、気楽に男性の所にメールをするという感覚が、役員という立場を利用し、おかしなことではないかと思います。

確かに、役員同士は連絡先など共有しています。しかし、個人的なことに自由に悪用されても困ります。

子どもたちは、深夜まで勉強してがんばっています。親が親睦会と称し、男女で遅くまで飲んで面白く遊んでいるのはおかしいです。

しかし、こういったお付き合いをしなければ、子どもに響くからと我慢している方も多いと思います。お酒が好きな方、夜中遊びたい方には、理由をつけて飲めるのでいいかもしれませんが、

仕事に追われ、睡眠時間も無い中、参加している夫にとっては、体を壊しそうで私は心配です。

付属中は、比較的外車に乗り、ブランドで身を包んでいる奥様も多いのですが、何か男性との出会いを求めている気がしてなりません。

一般サラリーマンの普通のご家庭ももちろんいますので、家も含めてリッチな奥様の非常識な振る舞いに理解できません。


11 ■Re:取材なしの勝手な論評は心外です。
>嶺町小PTOさん、まるおさん、そしてこのブログの読者の皆さんへ

あくまでも私のスタンスですが、組織として公開しているHPやPTA会長として綴っているブログに関してネット上に公開した時点でどう利用されても良しとしています。取材なしの誹謗・中傷何でもお受けしています。私の会長ブログの唯一のルールはコメント欄にて私以外の人を誹謗・中傷しないという1点のみで運用しています。全てのやり取りが今後のデータベースになると思っています。「任意加入」「委員会制廃止」にて運営してすでに1年半になりますが、地域や近隣校からは根強いバッシングが今でもあります。やり方そのものへの反発、いや私という個人が嫌いだという反発もあります。この地域に生まれ育った者、よそからこの地域に来た者、そんな違いだけでのバッシングもあるのです。単Pの改革というのは、地域・その土地の風土・その地域を選挙基盤としている政治家・連合町内会の思惑、中学校区としての連携、上部団体との兼ね合い、とにかく関わる要因の多さに驚きます。ただ、そういう背景に向かって行くには、私は逆に徹底した情報開示が必要だと思っています。いろんな論評や反論は、うまく消化出来たらもの凄い強い追い風にもなります。私はそうやって追い風を起こして、多くの人に背中を押されながらここまでやって来ました。それはおかしいとコメントされるだろう事案でも、正直にブログに綴っています。「あいつは間違っている!」そういう声も聞こえて来ます。それを払拭していくのも、正直に発信する情報が大切だと思っています。自分が納得する論評だけ受け入れる情報発信なら、情報として不要だと感じてしまいます。あくまで私見ですが・・・


12 ■保護者説明のしおり
>読者の皆さんへ

PTA入会案内のしおりは、私が説明するので私が担当して作っています。その方がしゃべりやすいですし、伝えたいことが伝わるように思います。うちの場合、完全ボランティア制で負担がないという事がしっかり伝わり、その上で会員として会費という形での賛同応援でも非常にありがたいという説明をしています。会員だけど、6年間全く何もしないという選択もありだと説明しています。それでも、いろんな保護者の方がおります。非会員となって、会費と同額を寄付してくれる方。非会員なのに、ボランティア募集に手をあげてくれる方。結局、親は子どもの笑顔に弱いんですよね。


13 ■Re:保護者説明のしおり
>moepapaさん

うちと真逆です。
非会員が会費同額寄付すると「寄付規定がないので会費として受け取る。よって、会員であり、委員など役員をやる義務が発生する」
ボランティアをしようとすると「PTAに入っていない人のボランティアは一切受け付けない」
なにがなんでも会員にしないと気がすまないようです。
私も状況が許せば学校に協力したいとは思っていますが、このようなPTAには協力したいとは思いません。